HYROX 8種目 完全攻略ガイド|各ステーションの詳細と対策

HYROX 8つのワークアウト種目

HYROXは全部で8つのワークアウト種目8回の1kmランで構成されるフィットネスレースです。合計の走行距離は8km、それに加えて8つの異なるファンクショナルトレーニング種目をこなします。HYROXの基本を知りたい方はこちらの完全ガイドもあわせてご覧ください。

この記事では各種目の詳細なルール、Open/Proの重量比較、攻略のポイント、よくあるミス、そしてウォームアップのコツまで徹底的に解説します。

レース全体の流れ

1km ラン → SkiErg → 1km ラン → Sled Push → 1km ラン → Sled Pull →
1km ラン → Burpee Broad Jump → 1km ラン → Rowing → 1km ラン →
Farmers Carry → 1km ラン → Sandbag Lunges → 1km ラン → Wall Balls → フィニッシュ

レースは全員が同じ順番で種目をこなします。種目の順番を変えることはできません。各種目の間には必ず1kmのランニングが入るため、ランニング力がタイム全体に大きく影響します。ランの合間に心拍数を適切に管理できるかどうかが、後半の種目パフォーマンスを左右します。

Open vs Pro 重量比較表

種目に入る前に、Open部門とPro部門の重量差を一覧で確認しておきましょう。Pro部門は重量が大幅に増加するため、別次元の体力が求められます。

種目Open 男性Open 女性Pro 男性Pro 女性
SkiErg1,000m1,000m1,000m1,000m
Sled Push152kg102kg202kg152kg
Sled Pull103kg78kg153kg103kg
Burpee Broad Jump80m80m80m80m
Rowing1,000m1,000m1,000m1,000m
Farmers Carry24kg×216kg×232kg×224kg×2
Sandbag Lunges20kg10kg30kg20kg
Wall Balls6kg/3m4kg/2.7m9kg/3m6kg/2.7m

初めての参加ならOpen部門を強くおすすめします。Pro部門はSled Pushだけで50kgも重くなり、全体のタイムが大幅に遅くなります。まずはOpenで自分の基準タイムを作り、それからProへのステップアップを検討しましょう。

種目1: SkiErg(1,000m)

スキーの動作を模したマシンで1,000mを漕ぎます。レースの最初の種目なので、ここでのペース設定がその後の全種目に影響します。

重量別設定: なし(全カテゴリ共通1,000m)

攻略ポイント:

  • 腕だけでなく、体幹と体重を使って引く。ハンドルを引く際に膝を軽く曲げ、上半身全体で引き込む
  • 一定ペースを維持(500mで燃え尽きない)
  • 推奨ペース: 男性 1:50-2:10/500m、女性 2:10-2:30/500m

よくあるミス:

  • 腕だけで引いてしまい、すぐに前腕が疲労する
  • 最初の200mで飛ばしすぎて後半ペースが崩れる
  • 呼吸が浅くなり、心拍数が上がりすぎる

ウォームアップのコツ: レース前のウォームアップでは、SkiErgの動作を模したバンドプルダウンや、腕を大きく回す動的ストレッチを行いましょう。SkiErgは最初の種目なので、体が温まっていない状態で臨むと肩や背中を痛めるリスクがあります。

種目2: Sled Push(50m)

重量のあるソリを50m押します。多くの参加者が最もきつい種目に挙げる種目です。床面のコンディション(摩擦の大小)によって体感の重さが大きく変わるため、当日の会場環境への適応も重要です。

カテゴリ重量
Open 男性152kg
Open 女性102kg
Pro 男性202kg
Pro 女性152kg

攻略ポイント:

  • 低い姿勢を保つ(体を45度に傾ける)。腰が高いと力が伝わらない
  • 小刻みなステップで一定速度を維持
  • 止まると再始動が非常にきつい。絶対に止まらないことを最優先に
  • グリップは肩幅に。ハンドルの高い位置を持つと力が逃げる

よくあるミス:

  • 腰が高く上半身が起きてしまう(押す力のほとんどが無駄になる)
  • 大きなステップで押そうとして、かえって速度が安定しない
  • 途中で止まって休憩し、再始動に膨大なエネルギーを使う

ウォームアップのコツ: Sled Pushの前のランでは、ラストの200mで少しペースを落としてもよいので、脚を温存しましょう。到着直後に深く呼吸を整え、低い姿勢をとってからスタートします。

種目3: Sled Pull(50m)

ロープを使ってソリを50m引きます。Sled Pushとは使う筋肉が異なり、上半身の引く力と握力が試されます。

カテゴリ重量
Open 男性103kg
Open 女性78kg
Pro 男性153kg
Pro 女性103kg

攻略ポイント:

  • 座った姿勢で足をしっかり踏ん張る。足の位置が滑ると力が入らない
  • 手繰り寄せるリズムを一定に保つ。引く→つかみ直す→引くのテンポを崩さない
  • 握力温存のためグローブ推奨持ち物ガイドでおすすめグローブを紹介しています
  • ロープは体の横ではなく、体の正面で引くと効率的

よくあるミス:

  • 腕だけで引いてしまい、背中の大きな筋肉を使えていない
  • ロープの握り方が甘く、途中で手が滑る
  • 足の踏ん張りが弱く、体がソリ方向にずれてしまう

ウォームアップのコツ: Sled Pushで下半身が疲労しているので、Sled Pullでは意識的に上半身主導に切り替えましょう。到着したら手を軽く開閉してグリップの感覚を確認してからスタートします。

種目4: Burpee Broad Jump(80m)

バーピー(腕立て伏せ+ジャンプ)と幅跳びを組み合わせた種目。80mを進みます。一見シンプルですが、80mは予想以上に長く感じます。

攻略ポイント:

  • 1回あたりの距離を稼ぐため、しっかり前方に跳ぶ
  • 胸をしっかり床につける(ルール)。つかないとレップがカウントされない
  • ペース配分が重要(序盤で飛ばしすぎない)
  • 1回あたり約1.5m飛べれば、おおよそ54回前後で完了

よくあるミス:

  • ジャンプの距離を稼ごうとして、バーピーの動作が雑になる
  • 胸が床に完全につく前に立ち上がり、審判からノーカウントの指摘を受ける
  • 序盤に全力で飛びすぎて、後半は1回あたりの距離が極端に短くなる

ウォームアップのコツ: 前のランで腕を振る動作を意識し、上半身の血流を維持しておきましょう。Burpee Broad Jumpは全身を使う種目なので、体が冷えていると動きが鈍くなります。

種目5: Rowing(1,000m)

ローイングマシンで1,000mを漕ぎます。SkiErgと同様に有酸素系の種目ですが、レース中盤で疲労が蓄積しているため、フォーム維持が難しくなります。

攻略ポイント:

  • 脚→体幹→腕の順で力を伝える。この連動がパワーの源
  • ストロークレートよりもパワーを重視。1漕ぎあたりの出力を高く保つ
  • 推奨ペース: 男性 1:50-2:10/500m、女性 2:10-2:30/500m
  • ダンパー設定は4-6が一般的(高すぎると1漕ぎごとの消耗が大きい)

よくあるミス:

  • 腕を先に引いてしまい、脚の力が伝わらない
  • ストロークレートを上げすぎて、パワーが落ちる(レートは24-28が目安)
  • 背中が丸まり、腰を痛めるリスクが高まる

ウォームアップのコツ: マシンに座ったら、最初の5ストロークは軽めに漕いで体をマシンに馴染ませましょう。いきなり全力で漕ぐとフォームが崩れやすくなります。

種目6: Farmers Carry(200m)

両手にケトルベルを持って200m歩きます。シンプルに見えますが、200mは想像以上に長く、握力と体幹の持久力が問われます。

カテゴリ重量(片手)
Open 男性24kg × 2
Open 女性16kg × 2
Pro 男性32kg × 2
Pro 女性24kg × 2

攻略ポイント:

  • 背筋を伸ばし、肩を落とす。肩がすくむと首・肩の疲労が早まる
  • 握力が限界に達する前に置いて休む判断も重要。ただし置く回数は最小限に
  • 200mは長い。焦らずペースを刻む
  • 視線は前方に固定し、歩幅を一定に保つ

よくあるミス:

  • 体が左右に揺れるフォームで歩いてしまい、エネルギーが無駄になる
  • 握力が完全に尽きてケトルベルを落とし、再度持ち上げるのに苦労する
  • 速く歩こうとして体幹が崩れ、腰に負担がかかる

ウォームアップのコツ: 前のランで手を軽く握ったり開いたりして、握力の準備をしておきましょう。グローブを使う場合は、このタイミングで装着します。

種目7: Sandbag Lunges(100m)

サンドバッグを肩に担いでランジ歩行を100m行います。レース終盤で大腿四頭筋が最も疲労している状態で行うため、精神力も試される種目です。

カテゴリ重量
Open 男性20kg
Open 女性10kg
Pro 男性30kg
Pro 女性20kg

攻略ポイント:

  • 膝が床に触れるルール(しっかり沈む)。浅いとノーカウント
  • サンドバッグの位置を安定させる。片方の肩に寄せると体のバランスが崩れる
  • 大腿四頭筋への負荷が大きい。事前のトレーニングが必須
  • 1歩あたりの距離を大きく取ると、回数を減らせる

よくあるミス:

  • 膝が床に届いていないと判断され、やり直しを命じられる
  • サンドバッグが肩からずれて、何度も担ぎ直す時間をロスする
  • 立ち上がる際にバランスを崩し、転倒しそうになる

ウォームアップのコツ: Farmers Carryの直後なので、握力は回復期間に入ります。その代わり、脚の疲労がピークに達しています。前のランではあえてペースを抑え、脚を温存する戦略もあります。

種目8: Wall Balls(100回)

メディシンボールを的に向かって投げるスクワットスロー。100回行います。レースの最終種目であり、すべての疲労が蓄積した状態で挑みます。

カテゴリ重量ターゲット高さ
Open 男性6kg3m
Open 女性4kg2.7m
Pro 男性9kg3m
Pro 女性6kg2.7m

攻略ポイント:

  • 最終種目で最も疲労が溜まっている。メンタル勝負
  • 10回×10セット等のブレイクダウンで管理。「あと○セット」と数える方が精神的に楽
  • スクワットの深さを一定に保つ(浅いとノーカウント)
  • ボールをキャッチする位置を胸の前で安定させる

よくあるミス:

  • スクワットが浅くなり、審判からカウントされない
  • ボールがターゲットに届かない(投げる力が不足)
  • 大きなセット(30回連続など)で始めて途中で潰れる。小分けの方が結果的に速い

ウォームアップのコツ: 最後のランでは、ゴール手前で深呼吸を意識しましょう。Wall Ballsは100回という回数勝負なので、心拍数が落ち着いている状態でスタートできると、安定したペースを維持しやすくなります。

種目間のトランジション

HYROXではタイムに「種目時間」だけでなく「トランジション時間」も含まれます。種目エリアへの移動やマシンのセッティングにかかる時間もすべてレースタイムです。

トランジションで意識すること:

  • ラン終了から種目開始までのルーティンを決めておく。水を飲む→手を拭く→ポジションを取る、など
  • 種目終了からラン再開までは素早く切り替える。種目エリアで休憩しがちだが、歩きながら回復する方が効率的
  • グローブの着脱タイミングを事前に決めておく。Sled Pull、Farmers Carry前に装着し、Burpee Broad Jump前に外す、など
  • 会場のレイアウトを事前に把握し、走るべきルートを頭に入れておく

トランジション短縮のコツ:

  • 補給ジェルはウェアのポケットに入れておき、ラン中に摂取する
  • 水分補給はラン中の給水所で。種目エリアで止まって飲まない
  • 各種目のスタートポジションを体に染み込ませておく(練習段階から意識)

上級者はトランジションだけで合計3-5分のタイム短縮が可能です。レース全体のタイムを縮めたい方は、種目の能力向上だけでなくトランジションの練習も取り入れましょう。

おすすめトレーニング器具

自宅やジムでHYROX種目を練習するための器具を紹介します。すべてを揃える必要はありませんが、持っていると練習の質が格段に上がります。

必須レベル

器具用途価格帯の目安
ケトルベル(16-24kg)Farmers Carry、スイング系トレーニング¥5,000-15,000
メディシンボール(4-9kg)Wall Balls練習¥3,000-8,000
トレーニンググローブSled Pull、Farmers Carry対策¥2,000-5,000

あると便利

器具用途価格帯の目安
サンドバッグ(10-30kg)Sandbag Lunges練習¥5,000-12,000
ローイングマシンRowing 1,000m練習¥30,000-150,000
トレーニング用ソリSled Push/Pull練習¥15,000-40,000

ジムでしか使えないもの

  • SkiErg(Concept2): 家庭用としても販売されていますが高価。ジムで練習するのが現実的
  • Sled + ターフ: 専用のスペースが必要。HYROX認定ジムなら確実に揃っている

器具の価格は2026年4月時点の参考値です。購入前に各販売サイトで最新価格をご確認ください。

初心者向け目標タイム

レベル目標タイム
初参加(完走目標)90-120分
中級者70-90分
上級者60-70分
エリート60分以下

完走率は**98%**です。適切にトレーニングすれば、ほとんどの方が完走できます。

初参加でのタイム目標は、あくまで「完走」に設定することをおすすめします。レース中のペース配分やトランジションの感覚は、一度経験しないと掴めません。2回目以降に具体的なタイム目標を設定する方が、結果的に大幅なタイム改善につながります。

種目別の重要度ランキング

8種目の中でもタイムへの影響度は異なります。トレーニング時間が限られている場合の優先順位の参考にしてください。

  1. ランニング(8km) — タイム全体の50-60%を占める。最も重要
  2. Sled Push — 重量が重く、最もタイム差が出やすい種目
  3. Wall Balls — 100回は精神的にもきつく、練習量が直結する
  4. Rowing — フォーム次第でタイムが大きく変わる
  5. Sled Pull — 握力とテクニックの両方が必要
  6. Burpee Broad Jump — 1回あたりの距離がタイムを左右する
  7. Sandbag Lunges — 下半身の持久力がそのまま出る
  8. Farmers Carry — 比較的シンプルだが、握力の温存が鍵

まとめ

8種目はそれぞれ異なる筋肉群を使います。バランスの良いトレーニングが重要です。特にランニングとSled Push、Wall Ballsの3つが全体タイムに大きく影響するので、この3つを優先的に鍛えましょう。

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種目の重量・距離はHYROX公式ルールに基づいています(2026年4月時点)。最新のルールはHYROX公式サイトでご確認ください。

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